個人情報の取扱い

個人情報保護に対する労働組合の取組み

 2005年4月1日より「個人情報保護に関する法律」(個人情報保護法)が全面施行されます。この法律は、高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることから、個人情報の有用性に配慮しつつ個人の権利利益を保護する目的から作られたものです。
 この法律の全面施行に伴い、当労組においても、組合員の氏名や性別、生年月日などの個人情報を取り扱うことから、個人情報保護について今後一層適切な取扱いを行うこととし、今般、個人情報保護に向けた組合組織と組合役職員の行動指針を示した「個人情報保護方針(プライバシーポリシー)」を策定しました。

個人情報保護方針(プライバシーポリシー)とは・・・


 個人情報保護方針(プライバシーポリシー)には、労働組合が組合員の個人情報を利用する目的や情報の種類、情報の取得方法、管理などの手続きが定められています。
  今後は、このプライバシーポリシーを本ホームページ等を通じて広く組合員に周知するとともに、個人情報を安全かつ適切に管理するために、執行部、書記局員をはじめとする組合役職員に対する教育を徹底してまいります。

 個人情報保護方針(プライバシーポリシー) 

 個人情報の共同利用に関する覚書

 労金取引における個人情報の共同利用にあたって

労働組合の日常活動と個人情報保護法

通常の労働運動を進めていく中でも、個人情報を取り扱うケースがあります。そこで、労働運動において比較的頻繁にあるケースについて以下のとおり考え方を整理してみました。

①署名活動について

【考え方】
  通常、個人署名は、氏名と住所が書かれていますので、当然これも個人情報です。ただし、署名活動については、

  1. 記入は規則性なくランダムに行われることも多く、内容を整理してデータベースなどを行うことは想定されていないこと
  2. 署名は本人が記入した形そのままで扱われるものであり、記入された内容を訂正したり消去したりすることはあり得ないこと
  3. 期限を区切って行われるものであり、たとえ5,000筆を超えるような数の多いものでも6ヶ月を超えて署名を集めるケースは比較的少ないこと
  4. 国会や省庁に対して提出することを目的としており、そもそも労組書記局などに留め置くことは想定されていないこと
といった特徴を有しています。上記ア)のことから考えれば、通常署名は検索性を有さないということになりますので、個人情報データベース等には当たらないと解されます。もし、何らからの理由によって検索性がある場合でも、b.c.dのことから考えれば保有個人データには当たらないと解されます。
 以上のことから、膨大な数の署名を切り取っても個人データ・保有個人データに係わる取扱事業者の義務は課せらないと考えています。ただし、個人情報であることには変わりがありませんので、保管の方法、取り扱う労組書記局員に対する注意喚起などが必要です。
 なお、個人情報の「利用目的の通知」については、署名という性格上記入した本人にとっては自明であると解されますので、特段記載の必要はないと考えています。

②「組合員意識調査」など各種アンケート調査について

【考え方】
  労働組合では、組合員意識調査(アンケート)、労働時間に関する調査(アンケート)、人事評価に関する調査(アンケート)、メンタルヘルスに関する調査(アンケート)など、様々な調査・アンケートを行っています。
 これらについて、もし記名で行う場合には当然ながら個人情報に当たりますし、無記名で行ったとしても、「他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができる」ものであれば、法第2条により、個人情報に当たると解されます。ただし通常、調査・アンケートは、匿名化した上で、性別・年齢層・職種などの属性による検索が可能になるような形でデータベース化し、様々な分析を行い、労使交渉や運動方針策定などに活用されます。しかし、氏名など特定の個人が識別できる形でこのような作業を行った場合、通常、6ヶ月を超えて保有することも多く、その開示、訂正、利用停止などの権限もその調査・アンケートを行った労働組合にあると思われますので、その場合は保有個人データに当たると解されます。
 さらに留意すべきことは、これらの調査・アンケートには、個人の考え方や職業生活上の悩みなど機微に触れる内容(センシティブ情報もしくはそれに近い情報)が含まれていることも少なくない、ということです。
 以上のようなことから、これらの調査・アンケートを行う場合は慎重な取扱いが必要で、特に次のような点に留意すべきと考えています。

  1. 全ての調査・アンケートは、用紙の最初の部分で、個人のプライバシー(情報)は必ず守ることを宣言した上で、「何のために行うか」「得られた情報をどのように取り扱うか」「終了後調査アンケート用紙をどのように処分するか」などを明確にする
  2. 全ての調査・アンケートは、特に必要な場合でない限り匿名で行う。その上で、筆跡・性別・年齢層・所属などによって容易に個人が特定できないように最大限の工夫を行う
    ウ) 目的から考えて不必要な調査項目は排除する
  3. 「生データ」の取扱いに関わる労組役職員を極力明確化し、無関係な者に関与させない
  4. データベース化するまでの間「生データ」は鍵のかかるロッカーに保管するなどの安全管理措置を図る
  5. データベース化した調査・アンケートはただちにシュレッダーで廃棄する
  6. 「生データ」を民間事業者などに委託してデータベース化・分析作業などを行わせる場合、委託先との契約書において労働組合側が定めた安全管理措置(委託契約範囲外の加工・利用、複写・複製の禁止、確実に廃棄するなど)を遵守することを明記した上で、作業終了後、定めたとおりに作業を行ったかどうか確認する

③労組主催の大会・集会・旅行等の参加者名簿について

【考え方】 
  労働組合が主催する大会・シンポジウム等で参加者の氏名などを集約する場合、これらも個人情報に当たりますが、これらの場合、「なぜ参加者氏名を集約する理由があるのか」は明確であり、法第18条第4項第4号に掲げた「利用目的が明らか」な例であると解されます。すなわち、個人情報取得時の利用目的の「公表」や「本人の通知」などは必要ないと考えられます。ただし、これらは集約作業のために通常データベース化し何らかの形で検索性を持たせることも多く、その場合は個人情報データベース等に当たるといえます。
 そこで、これについても法に則った対応(個人データに関する義務)が必要で、特に次のような点に留意すべきと考えられます。

  1. 参加者名簿を別の用に利用しない
  2. データベース化した場合、集会などが終わり清算などの業務を全て終了したら、「生データ」「データベース」ともに極力安全に廃棄・消去する
  3. 集会などの関連業務を委託した事業者(旅行代理店・宿泊先のホテル・会場の所有者など)に名簿(個人情報データベース等)を渡して業務を行わせる場合、その事業者に対して、適正な安全管理措置(自社の用に供しない、確実に廃棄するなど)を施すよう監督する

④共済活動など福利厚生事業について

【考え方】
  共済活動など福利厚生事業は、その性質上から、本人はもちろん家族も含めた疾病・障害の状況などセンシティブ情報に当たる個人情報を扱うケースが相当多いと考えられますので、特に次のような点に留意しながら最大限の注意を払うことが必要であると考えています。

  1. 利用する個人情報の項目の明確化と利用目的の特定
  2. サービス案内のリーフレットなどでの周知
  3. 申込書などにおける個人情報の取扱いに関する本人同意の確保
  4. 目的外利用の禁止

⑤労働金庫との関係について

【考え方】
  労働金庫が、組合員と取引するに当たっては労働金庫の会員労働組合を経由した「団体取引」が基本となっており、具体的には、毎月の積立金および返済金を組合員の賃金から控除すること、預金の募集を労働組合の職場委員などを通じて取りまとめることなどを行っています。
 また、労働金庫が組合員と取引を行うにあたっては、取引の相手方が利用資格を有することを確認する必要があり、会員労働組合から当該者が組合員であるという資格を証明する情報(所属会員および勤務先、職場名、職場・職員番号、氏名、住所、生年月日、電話番号、郵便番号)の提供を受ける必要があります。
 以上のような観点から、全国労働金庫協会は、法の趣旨を踏まえ、「本人が労働組合の構成員であることを証明する情報」「取扱労働金庫に関する情報」「会員団体(労働組合)を介した取引に必要な情報」について、会員労働組合の了承を得た上で、労金と会員労働組合が共同利用することを基本としています。
 なお、わが労働組合では、労金の商品・サービスをご利用いただくにあたり、賃金控除等の皆様の利便性を保ちながら、個人情報保護法に基づく適正かつ安全な個人情報の管理を行っていくため、中央労働金庫と「共同利用」の取扱いを行うことを確認しています。(下記文書参照)


  労金取引における個人情報の共同利用にあたって

⑥会社との個人情報の共有化について

【考え方】
  労働組合では、組合員に関わる個人データ(氏名などの基本情報、賃金関係情報、人事情報、労働組合関係情報)の一部について、使用者側と共有化し、それを各種活動(賃金・労働諸条件に関する労使(交渉)協議、災害時の対応、組合費チェックオフ等)に活用しています。法施行後も同様の対応を行っていくため、組合員の個人情報を必要な範囲で共同利用することを労使間で確認しています。具体的には、①共同利用の目的、②共同利用する個人情報の項目、③共同利用する者の範囲、④個人情報の管理義務・守秘義務等について、労使で覚書を交わしています。(下記文書参照)

 個人情報の共同利用に関する覚書